• 人々の暮らしとともに
    育まれた技と美意識

三方を緑豊かな山々に囲まれ、鴨川をはじめとする清流の恵みを受けながら鮮やかに季節が移ろう京都は、平安京遷都以来千有余年の永きにわたり都が置かれ日本の政治、文化、宗教の中心地として栄えてきました。人々は暮らしの営みを積み重ね、また全国から流入した多様な文化の影響を受けたことで、生活文化が栄え、漆器や陶磁器、木竹工芸品等の生産が発達していたことから、季節感やおもてなしの心、本物へのこだわりといった精神文化が京都の食文化にも浸透していきました。

千年の歴史に育まれた技と美意識。それらを受け継ぎ、そして常に最先端の表現を探求し続ける伝統と文化のものづくりをお届けします。

京焼・清水焼は古より受け継がれる伝統工芸品

京焼は、17世紀頃から京都各地に窯が築かれ、茶の湯の興隆を背景に発展しました。清水焼はそのうちの一つで、清水寺の参道である五条坂で焼かれたものを指しますが、現在では、京焼・清水焼はほぼ同義語となっています。京焼の大きな特徴は、ひと言であらわせる特徴がないこと。つまり、皇族、貴族、寺社仏閣、そして茶道や花道など政治・文化の本拠地である京都に日本中から選りすぐりの材料と高い技術をもつ職人が参集したため、あらゆる技法、形、絵付けの粋が一気に花開いたのです。現在も、金彩をほどこした豪華で繊細な絵付けの磁器から焼締の陶器まで、窯ごとにさまざまなスタイルの焼物が生産され、その技術とセンスを競っています。茶器や食器、花器だけでなく、タイルや洗面台のボウルなど、オリジナルの建材を手がける窯もあります。

茶の湯の文化とともに進化してきた京漆器

漆器は、日本、中国、タイ、ベトナムなど、漆の産出国で発達したアジア独特の工芸です。なかでも日本の製品が早くから世界の注目を集めたことから、「ジャパン」が漆器の総称となりました。蒔絵など日本独自の技術は平安建都(794年)以降に京都で発展しました。室町時代(14世紀)からは茶の湯文化と深く結びつき、棗、炉縁、茶棚、干菓子盆、香合などが漆器で製作され、華麗さと同時にわび、さびといった内面的な味わい深さが加わり、京漆器の大きな特徴のひとつとなりました。製作は木地師、塗師、蒔絵師といった専門の職人による分業でなされ、それぞれに高度な技術が継承されています。現在では、たとえば1661年創業の「象彦」においては、食器や調度品のみならず、漆の素材感を活かしたモダンなデザインのアートパネルやフラワーベースなども生み出されているほか、海外ブランドとのコラボレーションにより、腕時計の文字盤、万年筆、シガーケース、パンプスのビジューなども製作されています。

芸術と宗教の中心である京都で発展した京表具

表具は、6世紀頃に仏教とともに中国から伝わり、平安時代(8世紀後半)に芸術と宗教の中心地である京都で発展しました。元は中国からの教本、経巻などの修復が主な仕事でしたが、お茶文化や京都画壇の隆興を背景に新調する仕事へと発展し、より高度な技術が成熟しました。とくに掛け軸は、主役である画や書を、どんな裂や和紙を組み合わせて引き立たせるかというセンスも腕のうち。加えて表具師の仕事には、日本画や書などの古美術の修復も含まれます。こうした美術工芸品の分野と、生活に密着した襖や障子、壁装などの両方を指して表具といいます。鎌倉時代(12世紀)から使う素材や工法がほとんど変わっていないこれらの仕事には、和紙と糊、裂地への幅広く深い知識と、長い経験をもとにした美意識が要求されるという共通点があります。リトグラフや抽象的な作品をシンプルな掛け軸に仕立てたり、インテリアを彩るモダンなパネルを制作したりするなど、現代の暮らしに合った新しい試みも多くなされています。

京都の伝統工芸品を利用する

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